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映画『第9地区』を観てきた。近所の映画館では上映していなかったが、休み中に東京の友達と遊びに行くことになっていたので、「第9地区を観たい」とお願いして映画館へ連れて行ってもらった。
「え?もう終わりの時間?」というほど、上映時間が短く感じられ、気分が高揚するような感覚を味わうことができた。
この高揚感、どこかで味わったことがあると思い考えてみたところ、PS3のゲーム『Fallout3』の世界によく似ていた。砂埃が舞いゴミの山の中に生きるスラム、登場人物たちのキャラクター性、それらが『Fallout3』の世界に似ていた。
そのうえ『第9地区』は、登場人物の目線や同行しているカメラマンの視点での映像が多用されており、FPS(First Person Shooting:主人公の視点でゲーム内を移動するゲーム)の視点にもよく似ている。
最近思うのだが、映画とゲームの映像表現の壁が無くなりつつあるような気がする。そのため、『第9地区』のような映画では、ゲームをプレイした後の高揚感と、映画を観たときの高揚感が一致するのかもしれない。
さて、『第9地区』のテーマは、かつてあった黒人差別を元にしているそうで、映画を見終わったあと、他の観客が「これって、黒人差別の映画だよね。」と言っていたのが聞こえて、確かにその通りだと感じた。
帰宅後ネットで少し調べてみたところ、南アフリカに実在していた第6地区問題を風刺した作品とのこと。第6地区問題自体、私はあまり知らないのだが、かつて、アメリカやキリスト教徒がネイティブアメリカンやアボリージニにしていた差別問題がちょうど当てはまるように思えた。
人間が人間にしていた差別を、エイリアンにしたとしても何の違和感もないし、エイリアンは人間じゃないから、罪悪感を感じにくいかもしれない。
この映画の一番良いところは、登場人物やエイリアン、みんなが、それぞれの欲望に忠実で、きれい事やいい人が登場するシーンが少ないということ。
きれい事とかいい人とか、確かに感動できるんだけど、生物としての人間らしさを感じるのは、やはり、欲望に忠実な瞬間。だから、『第9地区』は、人間味溢れる良い映画になっていたと思う。
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