番組に依頼があった家に一流の建築士を派遣し、見事なリフォームによって家を大変身させる「劇的ビフォーアフター」という番組で、故・立川談志師匠のお宅のリフォームが放送されていました。
その中で、リフォームとは別に、立川談志師匠が大切にされていた紙の資料や色紙に着いてしまったカビを取り除くシーンが放送されていました。
古い資料を修復する専門家のかたが登場されて、カビだらけの資料をトレーに乗せ、なんの躊躇もなく霧吹きで水を吹きかけはじめました。
紙の資料を水で洗うのだそうです。
紙の資料を水で洗ったら、書かれた文字が滲んでしまいそうですが、墨で書かれた古い資料は大丈夫なのだそうです。墨には、にかわが混ざっているため、水で滲むことはないということでした。
とは言うものの、紙や墨の種類によっては、資料がダメになってしまうこともあるかもしれませんので、大切な資料を素人が水で洗うことは避けた方が良いと思います。
さて、話は変わりますが、数年前の手帳を押入れの中から取り出し、パラパラめくってみると、書いた文字が滲んでいることがあります。
押入れの中の湿気でインクが滲むことがあるようです。
最近、「書きやすいボールペン」や「消せるボールペン」がもてはやされていますが、手帳向けの「長期保存向きのボールペン」があっても良いように思います。
そういったわけで、少し調べてみたところ、「水性顔料ゲルインクボールペン」が長期保存に向いているとのことでした。
油性のボールペンと比べて、インクが乾くまで若干時間がかかりますが、ずっと保存しておきたい手帳には、相応のボールペンを選ぶのが良さそうです。
冒頭で紹介した、立川談志師匠が遺した資料のように、カビを洗って保存したいと思われるほど大切な紙の資料も世の中にはあります。
自分が書き込んだ手帳が、洗って保存したいと思われるほど大切なものになるわけがないと考えられるかたもいらっしゃると思います。
しかし、洗って保存したいと思われるほど大切なものになるかどうかは、そこに書き込んだ人の生き方次第であるように思います。
よりよく生きるために、長期保存に向いたインクで手帳に書き込むというのも、ありではないでしょうか。