MOLESKINEを使い終わった。これで何冊目のMOLESKINEだろうか。片手で十分数えられるほどの冊数しか使っていないはずだが、押入れから引っ張り出すのもたいへんなので、冊数不明としておこう。MOLESKINEと私の関係は、その程度のいい加減なものだ。いい加減でありながら、なぜか長い間使い続けている。腐れ縁という言葉が似合う間柄かもしれない。
強い感動を覚えた文学館のパンフレットをコピーし、切り抜き、貼り付け、説明を書いた、「MOLESKINEを大切に使っています」という言葉がよく似合う使い方をしたこともあった。そうかと思えば、乱暴に書きなぐったメモもある。
この和菓子店のラベル貼り付けなんて、ひどいものだ。いつ貼ったのか日付さえ書いていない。ラベルを貼付けたときには、「生地がふっくら焼き上がった、甘さ控えめのどら焼きがうまかったから、また行きたい。あとで感想を書き込もう。」と思っていたに違いないが、すっかり忘れていた。
引越しのときのメモもある。このページは、非常に奇麗に書き込んでいるほうだ。ほかのページには、暗号のような意味不明の図もある。さらに言うと、暗号どころか書き込んである寸法がデタラメのページだ。メモの意味がまったく無い。
このMOLESKINEの最後の数十ページは、文豪の文章を書き写したものが多かった。面白い文章を書けるようになりたいという思いだけで、ただ書き込み続けているページだ。
MOLESKINEに書き込んだり貼ったりした内容は雑多で統一性がなく、毎日使っていることもあれば、1ヶ月以上使っていなかったこともあった。こんなにいい加減な関係なのに、MOLESKINEはどういうわけか、手放せずに何年も私の側にある。これからも、MOLESKINEとのいい加減な関係は続いて行くことだろう。
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