このところ気持ちに余裕がないような気がしていて、少し余裕を持とうと思いました。気持ちに余裕を持つために、今の生活について考えていたところ、「モンブラン モーツァルト万年筆 P114」で文字を書きたいという衝動に駆られました。
ひさしぶりに取り出した万年筆はインクが乾いており、すぐに文字を書けませんでした。そのため、ペン先を軽く水で濡らしてやったところ、さらさらとインクが出始めました。
水が混じったインクは薄く寂しげで、悲しい気持ちになってきました。水が混じったインクをキッチンペーパーにしばらく吸わせていると、本来の濃さの、力強いインクの色に戻ってゆきました。
ひさしぶりに万年筆で文字を書いていると、指先と手首に変な力が入っていることを感じました。筆圧を高めようとする人差し指の力と、筆圧を和らげようとする手首の力のせいで、文字がカクカクしてしまい、うまく書くことすらできませんでした。
しばらく文字を書くうちに、指先と手首から力が抜け、以前のように、さらさらと文字を書けるようになりました。
さらさらと文字を書けるようになると、心の中に溜まっていたいろいろなことが、溢れ出るように文字になり、紙の上に吐き出されてゆき、気持ちが軽くなってゆきました。
万年筆を使うには、キャップやペン軸をくるくる回してペンを出し、インクフローを感じながら軽い筆圧で文字を書く必要があります。そのため、ペンをノックして筆圧を気にせずいきなり書き出せるボールペンに比べて、気持ちに余裕が必要です。
このところ気持ちに余裕がなくて、万年筆を使って文字を書いていなかったこともあり、いろいろな思いが溜まっていたようです。
これからは、できれば毎日。できなくても週に1度は、気持ちに余裕をもたせるために、万年筆を手にして紙に向かう時間を持ちたいと思います。