Instagramで「羽仁もと子案 家計簿」の写真をたびたび見かけ、ずっと気になっていました。
A5サイズのこの家計簿は113年の歴史をもち、創案者は家計簿のタイトルにも書かれている「羽仁もと子(はに もとこ)」さん。日本の女性初のジャーナリストだそうです。また、女性雑誌「家庭之友(婦人之友の前身)」を明治36年に創刊されたそうです。
私、この家計簿を調べるまで、このかたのことをまったく知らなかったのですが、経歴を見ると、NHKの朝の連続テレビ小説になりそうな、興味深いものでした。
なお、この家計簿は「家計当座帳」というノートと一緒に使うことを前提に作られています。
外観
羽仁もと子案 家計簿には、「すぐわかる予算生活のガイド」という冊子が付いています。
この冊子には、家計簿のつけ方や生活費のめやす、費目の一覧表などが付いており、家計簿のつけ方がわからなかったり、迷ったりしたときに欲しい情報が掲載されています。
栞が1枚付いています。
片面は、2017年の1月~12月のカレンダーです。日曜始まりで、日曜祝日が赤色になっています。
栞のもう片面には、月額費目予算の記入欄があります。
この家計簿は、毎月、費目ごとに予算を立てて使用する形式になっていますので、この栞を予算を立てるときの目安に利用することができます。
見返し(前側)
見返しの前側です。
こちらは真っ白なページになっていますので、好きなものを書いたり貼ったりすることができます。
扉ページ
見返しと扉ページののど部分(根元の部分)は綴じ代があります。
この家計簿のつけ方は
「この家計簿のつけ方は」というページが3ページあります。家計簿の詳細な使い方は冊子になっていますが、このページには以下の内容が掲載されています。
- 予算を立てる
- 月のはじめ
- 毎日の記帳
- 月の終り
家計簿を使用する際の1年間の流れが掲載されています。
また、「この家計簿のつけ方は」のページの前に、創案者の言葉や、婦人之友社の提案、家計簿の特徴などが掲載されています。そちらの情報については、読み物のページですので写真掲載は控えます。
予算表
予算表の最初のページには、家族人数や住居、収入を記入する欄があります。
収入は、月額や年額の合計のほか、1ヵ月の平均を記入する欄があります。
ここで算出した1ヵ月の平均を使用して、予算を立てます。
予算表の次のページには、税金、社会保険費、預貯金及び保険、副食物費、主食費、調味料費の記入欄があります。
それぞれ、内訳や1ヵ月とごの金額があり、食費関連は1人1カ月の金額を記入する欄もあります。
予算費の次のページは、光熱費、住居・家具費、衣服費、教育費、交際費、教養費、娯楽費、保険衛生費の記入欄があります。
予算費の最後のページには、職業費、特別費、公共費、〇〇費、〇〇費の記入欄があります。
〇〇費の「〇〇」の部分は空欄になっていますので、これまでに出てこなかった費用の中で区別して管理したいものがあれば記入して管理することができます。
次のページには、予算一覧表があります。
予算一覧表には、これまでの予算費のページでたててきた予算を記入します。
【毎日の記帳】収入表、税金、社会保険費
ここから、毎日の記帳欄が続きます。
まず最初に、収入表、税金、社会保険費の記入欄があります。
【毎日の記帳】預貯金及び保険
預貯金及び保険の記入欄は、たっぷり用意されています。
カード類での買い物も、この記入欄に記載するそうです。
【毎日の記帳】副食物費、主食費
副食費、主食費の記入欄です。
副食費の記入欄下部には、割当外の副食物費の記入欄があります。
また、主食費の記入欄下部には、給食費や外食の記入欄があります。
【毎日の記帳】調味料費、光熱費、食費の記録
調味料費、光熱費の記入欄です。
調味料費には嗜好飲料も含むそうです。
光熱費の下部には、食費の記録欄があり、生産のものや到来ものを記入できるようになっています。
【毎日の記帳】住居・家具費、衣服費
住居・家具費、衣服費の記入欄です。
備考欄が大きくとられていますので、購入したものについてメモを残すのに便利そうです。
【毎日の記帳】教育費、交際費
教育費、交際費の記入欄です。
こちらも、備考欄が大きくとられています。
【毎日の記帳】教養日、娯楽費、保険・衛生費
教養日、娯楽費、保険・衛生費の記入欄です。
保険・衛生費は、医療代のほか、歯磨き、トイレットペーパーなどの消耗品代や、散髪代や化粧品代なども書き込むそうです。
【毎日の記帳】職業費、特別費、公共費
職業費、特別費、公共費の記入欄です。
職業費には、仕事にかかわる書籍や通勤費、交際費なども書き込むそうです。
【毎日の記帳】〇〇費、自由欄
〇〇費、自由欄の記入欄です。
〇〇費の記入欄は2つ用意されています。〇〇費の「〇〇」の部分は空欄になっていますので、この家計簿で区別されている費目以外のものを追加して管理することができます。
自由欄の枠線にはメモリが付いていますので、区切り線を引くガイドに利用できます。
【その他の記入欄】買入予定と実際
買入予定と実際の記入欄は、4ページ用意されています。
【その他の記入欄】純生活費予算と実際
純生活費予算と実際の記入欄は、1月~12月までの記入欄があります。
予算と実際の差引額の記入欄もあるため、使いすぎた月とそうではない月を把握することができます。
【その他の記入欄】収支年計表
収支年計表は、1ヵ月の予算からはじまり、1月、2月、3月……と続き、1カ年累計、1ヵ月平均、率(割合)を記入する欄があります。
1カ年累計により、総収入と総支出を把握することができます。
【その他の記入欄】〇月 副食表
副食表は、4ヵ月分用意されています。月の欄が空欄になっているため、好きな月を記入することができます。
【その他の記入欄】収支年計表おぼえがき、土地・建物その他のおぼえがき
収支年表おぼえがき、土地・建物その他おぼえがきの記入欄です。
こちらは無地の欄になっていますので、書き込むだけでなく、それぞれの情報に関連した印刷物を貼ることもできそうです。
【その他の記入欄】貯蓄・保険の記録
貯蓄・保険の記入欄です。
2ページぶんたっぷり用意されています。
【その他の記入欄】グラフで見る記録
グラフで見る記録欄は、3ページ用意されています。
【その他の記入欄】感想・記録
感想・記録欄は4ページ用意されています。
無地の記入欄ですので、こちらも書き込むだけでなく印刷物などを貼ることもできそうです。
各種料金表
各種料金表は2ページにわたって掲載されています。
郵便料金や、郵便小包、宅急便などの情報が掲載されています。
見返し(後側)
見返しの後ろ側も無地のページです。
好きなことを、書いたり貼ったりできそうです。
まとめ
1年の収入を12等分して1ヵ月に使用できる金額を明確にし、費目ごとに予算を立てるという性質上、収入額がある程度安定している人向けの家計簿だと思います。
また、費目が細かく分かれているため、ここまで管理できる人ならExcelあたりを使って家計簿をつけた方が楽かもしれません。その一方、書くのが好きな人や、夜はPCの電源を入れたくないという人には、この家計簿が向いていると思います。