日本社会から寛容さが失われ、周囲の目を気にして空気を読むことが異常なほど要求され、自分で考え行動することが悪にされかねない世の中になりつつある気がしています。
そんな気分の中、「空気を読むな、本を読め。(著:小飼弾)」に出会いました。
目次
- はじめに
- 1章 本を読め。人生は変わる
- 2章 本を読め。答えは見つかる
- 3章 「手」で読め。そして「脳」で読め
- 4章 本を読んだら、「自分」を読め
- 5章 本は安く買え。そして高く飛べ
- 6章 エロ本も読め。創造力を養え
- 7章 マンガを読めば「世界」がわかる
- おわりに
- 小飼弾が選ぶ最強の100冊+1
不条理と本
はっきり言います。空気なんか読んでいたら確実にバカになります。(P.1)
ルールや規範から解き放ち、自由な発想をもたらしてくれるのがホンモノの読書(P.2)
マスコミが喧伝するような価値観なんて、いとも簡単に崩れてしまう。世間様や会社や学校の常識など、朝令暮改は当たり前です。(P.3)
空気を読んで周囲に合わせていると、自分で考える力を失い、周囲の状況に振り回されてしまう。そうならないために、本を読んで、考える力を付けると良いということが、「はじめに」の中で語られています。
私の読書も似ている気がします。世間や会社で不条理を感じた時、本当にそうなのだろうかということを考えるために、本を読んで考え直してみることが多い気がします。
たとえば、体育会系の精神論のようなことを言われ、不条理を感じていた頃に、葉隠れ入門(著:三島由紀夫)を読んだり、連合赤軍関係の映画を見たりしました。
他にもいくつか本を読みましたが、そうやって古い思想を自分なりに見直してみると、「体育会系の精神論なんて、その人にとって都合良く言ってるだけじゃないか」と思えるようになり、自分自身の後ろめたさがなくなり、相手のちっぽけさが見えるようになりました。
相手がちっぽけに見えるようになると、不条理に対して怒りの気持ちも無くなり、諭すような気持ちで対応できるようになったのを、よく覚えています。
不条理を感じたら読書。私はそう思います。
本の読み方
古典はそのテキストだけ読んでも意味がなく、どんなときに誰に向かって書かれたのか、そのコンテキスト(=背景や文脈)を理解してはじめて読み込めるものなのです。(P.68)
自分の意見と真っ向から対立する本を読むこと。(P.134)
「空気を読むな、本を読め。」を読んでいて、とくに気になったのが、この2点。
古典の時代背景や文脈は、多少意識していましたが、こうして文字ではっきり書かれると、もっときちんと読み込みたい気持ちになりました。
意見が対立する本については、たぶん、私は、ほとんど読んでいません。意見が対立する本を読む大切さを認識していなかったということもありますが、読みたい本がたくさんあって、手をつけずにいました。
意見が対立する本を読むことで、自分の意見を本を利用して批判することができるため、自分の意見の足りない部分や誤っている部分を明確にすることができると思います。
何かの意見で世界観が固まりそうになったら、真っ向から意見が対立する本を利用して、その世界を壊してあたらしい発見をしようと思います。
まとめ
「空気を読むな、本を読め。」は、とても読みやすい本でした。私は本を読むのがあまり速くないのですが、1時間かからずに読むことができました。
「意見が真っ向から対立する本を読む」という、新しい考えも持つことができたので、この本を読むことができて良かったです。
その他にもたくさんの、本に対する考え方や、本の読み方が語られていますので、読む人それぞれ、いろいろなものが得られると思います。
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