
農業や介護ヘルパーといった、人が生きていくうえでどうしても必要な仕事があります。しかし、そういった人たちの給料はとても低く、生活に困窮することすらあるそうです。
とくに農業については、農業だけでは生活していけないということで、金銭面から跡を継げずに畑をやめてしまう家が多くあります。
そんな状況が放置されてきたせいか、農林水産省による国ごとの食料自給率(カロリーベース)の調査によると、日本の食料自給率は38%で、米国の133%と比べると異常に見える低さです。
その一方で、歌手や俳優といった娯楽を供給する人たちが大豪邸に住んでいます。
人が生きる上で必要な仕事の人たちは生活に困窮し、人が生きる上であったほうが良い仕事の人たちは大豪邸に住んでいる。そんな状況におかしさを感じたことはありませんか?
もちろん、農業で生活している人もいますし、歌手や俳優がみんな大豪邸に住んでいるわけではなく、娯楽を供給する仕事も大切な仕事です。
その点は十分に承知していますが、農業では食べていけないとか、介護ヘルパーの給料が低くて生活に困窮しているといった報道について、神妙な顔をして大豪邸に住んでいる芸能人がコメントしているのを見ると、これでいいのかと感じるわけです。
その格差はなぜおこるのだろうかと考えたとき、日本は資本主義社会の国ですから、その「資本主義」を理解すれば、歪に見える社会の中で自分がどう行動していけば良いか参考になるのではないかと考えました。そこで思い浮かんだのが「資本論」です。
しかし、「資本論」は読むのに時間がかかりそうだし難しそう。そもそも、知りたいと思っていることではなかったらどうしようと思い、できるだけ簡単に読めそうな本を探しました。
最初は、要点をまとめたものがないか探したのですが、探している中でマンガになっているものを見つけました。マンガなら1~2時間で読めるので、「資本論(まんが学術文庫)」を購入してすぐに読み始めました。
悪い資本家に苦しめられた青年が、資本主義のルールを使って復讐する物語です。
復讐の物語を通して資本主義のルールを知ることができるため、いちど読むだけで理屈を理解できました。
資本論では資本主義を良くないものとしており、資本主義の次の社会を作るための手助けになるようにと書かれたものだそうですので、物語の中に描かれている資本家はとても悪そうに描かれていました。資本論は共産主義を肯定していると思われることが多いそうですが、実際には、前述したとおり「資本主義は良くないものであり、資本主義の次の社会を作るための手助けになるように」と書かれたものだそうです。
「資本論(まんが学術文庫)」を読めば、資本主義社会で何が起きているのかを理解する手助けになると思います。自分自身が資本家なら、労働者からどんな価値をもらっているのか?自分自身が労働者なら、資本家や社会にどんな価値を提供しているのか?そんなことがわかるようになると思います。
ちなみに、私はこのまんがを読んで、いまから「資本家」になろうと思いました。「労働者」のままでは何かを変えたくても変えられないでしょうし、弱い立場のまま、手も足も出せずにいることになるだろうと思ったためです。
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